無資格 医療事務

看護師を辞めて第二の仕事として医療事務

私の母親は看護師を務めていました。
父親と共働きのゆえ非常に忙しい中、夜勤もあるにもかかわらず私の学校行司や習い事を全て仕事と両立して支えてくれました。
そんな母親の姿を見て私も看護師を目指し、高校卒業してから国家資格を取って病院で勤めるようになりました。
このように自分自身の子供からの夢をかなえることができて非常に満足をしています。

 

さらに私の場合、素晴らしいことに人生の伴侶も看護師として働いている病院で見つけることができたのです。
そして彼と結婚をする際に看護師の仕事も一度辞めることにしました。
夫は最終的には開業する目標があり、私はそれを手伝うことを看護師の次の目標に据えていたからです。
夫の専門分野が精神科であり、実際のところ開業してからもスタッフを集めるのが大変だったり、他の病院で掛け持ちで働かなければ最初はなかなか生活が成り立たないこともわかっていました。

 

結婚してから10年、とうとう夫が精神科の医療クリニックを開業する目途が立ちました。
そこから、私の次の夢に向けた仕事が始まりました。
クリニックの用地の契約から開業の申請、医療事務のスタッフを探すための求人出稿など様々。
大変でしたが、夫がこの仕事で成功することを夢に描いていましたのでとてもやりがいを感じました。

 

看護師としてのスキルがあっただけに様々な面でメリットがあったと思います。
最初は自分自身が看護師に復職して夫と共働きで収入を支えるべきかとも考えましたが、方針を変えたのは医療クリニックを開業する直前です。
精神科の医療クリニックだけにどうしても医療事務のスタッフの力が重要になります。
特に受付は重要だと言わざるを得ません。
実際にこのようなクリニックにお世話になったことがあればわかると思うのですが、本当に様々な方々が病院にお越しになります。
また病院にお越しになる前に予約や色々な相談をしてきますが、そのほとんどが電話です。
もちろんのことながら、人間としての経験がある程度なければ様々な方々の悩みや怒り、悲しみを受け止めることができませんし、実際に通って頂くにあたってのポイントをお伝えすることも難しいのが実情です。

 

最終的には夫と色々相談しましたが、医療事務、特に受付業務を最初から任せられる人材を確保できなかったこともあり、オープニングスタッフとしては私も医療事務として関わることになりました。
本来であれば医療事務の資格を取得し、もともと持っていた看護師のスキルを活かしながら仕事ができればよかったのですが、さすがに突然の方向転換で資格を取る時間もありませんでした。
家で通信講座で勉強して医療事務の資格を取ることができるのですが、自分の場合は夫の医療クリニックで働くだけであり仮に新たな仕事を探す場合は医療事務ではなく看護師になるので必要ないと思い、あえて資格を取る事はしませんでした。
もちろん、これからも医療事務の資格を取ろうと言うつもりはありません。

 

さて、実際に夫のクリニックが開業してからのお話です。
受付の仕事がメインだと考えていましたが、これほど医療事務が大変だと思いませんでした。
いくつか事例を挙げてみたいと思います。

 

まずは自分がほぼ1人で受付を行い、患者さんのスケジュール管理まで行う点。
ありがたいことに近隣に精神科のクリニックはなかったので、予約も非常に多く入り、カルテの整理まで大変なほどでした。
そして、困ったことに看護師の経験である程度患者さんやご家族との対話慣れているつもりでしたが、精神科にお見えになる患者さんの問い合わせは非常に喜怒哀楽に満ちていてストレスが溜まる一方でした。
しかしながら大学生の心理士の方々がいる前では私が年長者で、かつクリニックの経営者の妻としての立場もありますので弱みを見せることができません。
必然的に厳しい対応が求められる患者さんは初診であれ再診であれ私が全て対応することになりました。
看護師の現場でも厳しいことを数々対応してきましたが、毎日続くとなるとさすがに辛いものです。
そして、もう1つ非常に大変だったのがレセプトチェックです。
夫は詳しかったのですが、私はあまりレセプトチェックと言う仕事に免疫がなかったので元々医療事務をしていた人に教わることの方が多かったです。
最終的にはクリニックの営業時間には収まらず自宅に書類を持ち帰って処理をしたことも数多くあります。
毎月1回の大変な作業ですが慣れるまでに半年以上かかったと思います。
もちろん、通常の医療事務の仕事以外のクリニックの運営に関することも自分自身の夫が経営者であることから担当することになりました。
スタッフの制服や患者さんのスリッパのクリーニング、書類の整理やクリニックの朝の清掃などもほとんど私がこなすようになっています。

 

夫と私でこのような二人三脚で既に3年間のクリニックの経営を進めてきましたが、地域にも根付いてきたと言う感覚があり常に多くの患者様からご活用頂けるようになっています。
なかなか厳しい状態であった方が今ではクリニックに頼らずに生活できるようになったパターンもあり、やりがいの面でも成果が出てきて、充実感も味わうことができるようになりました。
後は医療事務の仕事をこなしながら何とかしたいのは、大学で心理学を学んでいる方々を是非とも1人前の心理士またはクリニックの運営ができるようなところまで育てあげること。
もちろん卒業するまでは医療事務の仕事が中心ですが、時には夫に仕事を任せられてカウンセリングまで行う場合もあります。
このカウンセリングのスキルに関しては私がどうこうアドバイスできるところではありませんが、患者さんとのコンタクトの仕方、どのような薬を処方すべきなのか、声のかけ方などは、しっかり伝授していけるようにしていきたいと思います。
今のペースで行くと、私自身が看護師として病院の現場に復活するのではなく夫と2人でクリニックを運営していくことの方がメインになりそうです。
これからも夫の精神科の医療クリニックでの医療事務の仕事がメインになりますが、ここまできたらプロとしてしっかりやっていけるようにスキルをもっともっと積んでいきたいですね。
そのためには本格的に勉強をして、資格を取ることを目標にしようと思っています。
資格もどうせ取るなら一番難しいと言う、診療報酬請求事務能力認定試験を。
通信講座でも挑戦できそうなので、頑張ってみます。