医療事務 職業訓練

職業訓練校を経て資格を取り就職

体験談の前に…
職業訓練は誰もが受けられるものではありませんし、医療事務の試験にもし落ちてしまったら、基本的に受講期間終了後のサポートはありません。
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体験談はここから

大学を卒業後、医薬品を扱う商社で一般事務職として5年ほど働いていました。
しかし会社の業績が悪く、もらえるはずの給料が何度も滞ったことから不信感を持ち、20代後半に思い切って転職することにしました。

 

初めての転職で右も左もわからず、自分に何が向いているのかもわからないまま転職活動を開始。
方向性がないので当然上手くいかず、折角貯めていた貯金もどんどん減っていきました。
このままではいけないとハローワークへ相談に行ったところ、偶然職業訓練のパンフレットを見つけました。
捲って見てみると色々な訓練が掲載されていました。
期間はだいたい3ヶ月ほどで、長いと数年単位の訓練もありました。

 

その中で目を引いたのが医療事務の講座です。
普通の事務とは違い専門的なので、資格を取れば就職に有利だと思いました。
そこで思い切って訓練に申し込むことにしました。
医療事務の講座は2つほどあったので、申し込みをする前に2校とも見学に行きました。

 

一番最初に見学に行った所は、普通の専門学校の中の教室で授業が行われるようでした。
都心にある綺麗なビルで、受付にもたくさん人が座っていました。
時間になり教室に案内され、訓練の狙いや授業内容など詳しく説明を受けました。
校舎も綺麗で駅からも近いので、通いやすすそうだなと思いました。

 

2校目の学校は駅からは少し離れた古いビルの中にありました。
明らかに1校目と比べるとさびれた感じでした。
こちらでも同じように説明を受けました。
場所のせいか1校目より見学者の人数が少なかったです。
1校目と違ったのは、申し込みをする紙に書く自己PRの効果的な書き方を教えて頂けたことです。
自己PRは面接でも書きますから、とても重要なものでした。

 

家に帰ってから比較検討した結果、2校目を第一希望にして申込書を提出しました。
申込書を提出するとともに面接もあり、緊張しながらスーツを着て向かいました。
事前に想定質問などを何度も復習し、緊張した割にはうまくいき面接はつつがなく終了しました。

 

数日後に受講許可が下り、3か月間医療事務の職業訓練に通うことになりました。
最初の日に本物の学校のように入校式を行いました。
クラスメートは20代~50代と幅広く、前職や経験なども様々です。
医療事務経験者の方、医療事務を独自に勉強されている方、私と同じ未経験の方もいました。
経験者の方は、きちんと勉強し直したいということで受講されていたようです。

 

クラスメートのほとんどが女性でした。
初日は普通の学校のように自己紹介をし、時間割や教科書販売などがありました。
教科書類は結構嵩張ったので、訓練中は自宅にあったリュックへと入れて通学しました。
だいたい午前10時ぐらいから16時ぐらいまで授業がありました。
昼休みも1時間あり、教室で昼を食べても外へ食べに行っても自由でした。
就職活動などで授業を欠席するときは届け出が必要でした。

 

入学して3日目で1人のクラスメートが退校しました。
どうやら就職が決まったようでした。
訓練1ヶ月目にはぽつぽつと就職が決まって辞めていく方がでましたが、2ヶ月目からはあまりいませんでした。
2ヶ月目に辞めた方は、医療事務ではない仕事に就かれたのかもしれません。

 

授業は医療事務に必須のパソコンから、医療接遇マナー、医療ソフトの練習など多岐にわたりました。
私はパソコンが苦手だったので、自宅で独自にタイピングの練習をしました。
たくさん文字を打ち込む仕事ではないとはいえ、早く打てた方が作業が早くなると思ったからです。
クラスメートにも私と同じようにタイピングが苦手な人がいたので、お互いに励まし合いながら毎日頑張りました。
1人だと挫折しそうでしたが、クラスメートがいたので頑張れました。

 

訓練も3ヶ月目に入ると、いよいよ就職を意識し始めます。
並行して授業はだんだん本番の試験を意識したものになっていきました。
偶然にも卒業の1週間前が試験日だったので、皆かなりピリピリしていました。
3ヶ月で本当に取れるのか不安でしたが、学生時代に戻ったように必死に毎日勉強しました。

 

本番の試験を終えた後も1週間授業を受け、最後に卒業式をしました。
たった3ヶ月でしたが新しい知り合いもでき、とても充実した時間でした。
式の後には皆で集まって記念写真を取り、打ち上げもやりました。
これでお別れなのだと思うと、とにかく寂しかったです。

 

卒業式から1週間後、努力が報われ無事に合格通知を受け取ることができました。
仲の良いクラスメート数人からも、合格したとメールがありました。
同時に本格的な転職活動を開始しました。
転職に必要な職務経歴書などは訓練中に仕上げておいたので、合格通知を貰った日から気になる求人に応募していきました。
未経験者オーケーでも、経験者がくるとそちらの方が優遇されます。
そのためなかなか書類が通りませんでしたが、いくつか通って面接へ行きました。
しかし内定が出るまでには数ヶ月かかりました。
その間にもう諦めようかと何度も思いましたが、訓練のことを思い出して前へ進み続けました。
ようやく内定が出たのは、試験に合格して3ヶ月後。
自宅から遠方のクリニックですが、私の希望通りの内科でした。
友人が内膚科で医療事務をしている話を聞き、興味を惹かれての応募でした。
内科は病院の数が多いので、単純に入りやすいと考えていたからでもあります。

 

丁度前の方が退職されるということで、私はその方の後任という形で入社しました。
入ってみるととても忙しく、満足にトイレも行くことができませんでした。
前の方の退職理由も忙しすぎるというのが理由でした。
そんな中、慣れないパソコンを使用し懸命に仕事をしましたが、1日が終わるとクタクタに。
せめてもう少しパソコンが得意ならスムーズに仕事ができたと思います。

 

受付の応対なども慣れず、最初の頃は失敗の連続でした。
そんな日は家に帰りどこが悪かったか反省し、次の日以降に同じ間違いを繰り返さないようにしました。
入社して1ヶ月ほど経ったとき、私の前任の方が退職されました。
まだ完全に1人で回せるような状況ではなかったため、不安がいっぱいありました。
それでも同じように就職したクラスメートにメールで相談しながら、1日1日仕事に慣れるために頑張りました。
その甲斐もあって忙しかったですが徐々に仕事にも慣れ、失敗の数は減っていきました。

 

勤め始めてから1年が経った後、同じように未経験の後輩が入りました。
年齢は私の方が下でしたが、医療事務としては私の方が先輩です。
1人で仕事をこなすのは問題ありませんでしたが、人に教えるのはまた違った難しさがありました。
彼女はのんびりとマイペースなタイプで、私はせっかちなタイプでした。
やることはたくさんあったので早く動いて欲しいのですが、動作の1つ1つがゆっくりでした。
年上なので強い態度にも出られず、どうしたら早く動いて貰えるか考える日々でした。
日が経つにつれ後輩は仕事を覚えていき、それなりのスピードでこなせるようになりました。
ようやく楽ができると安堵した時、家庭の事情で後輩が退職することになりました。
私の苦労はなんだったのだろうと思いながらも、気の合わない相手ならその方が良いとも思いました。
現在は新しい後輩とそれなりに仲良くやっています。
色々ありましたが、やりがいのある仕事なのでこれからも続けていきたいです。