対応力が向上
資格を取得する前は、仕事をするにあたって必要なことだけを断片的に詰め込んでいるだけでしたので、イレギュラーな問題に直面すると応用が利かず、いつも混乱してしまいました。
診療報酬請求事務能力認定試験の勉強では、保険や公費の制度、診療報酬の仕組を体系的に学べるので、取得後は普段はあまり見かけないような保険や公費、稀な診療行為などにも慌てず対応できるようになりました。
保険や公費、診療報酬をすべて頭に入れることは不可能です。医療事務では、わからないことがあったときいかに早く的確に調べられるかが重要。資格の取得で基礎的な知識の土台ができていると、何のどこを調べればいいかがすばやく判断できます。また2年ごとの改正の際も、基礎があると改正前との違いを理解するだけで済みますので、毎回覚え直す必要がありません。
レセプトの作成はレセコンがしてくれるから大丈夫という話をよく聞きます。しかし、レセコンは行為が病名に適応するか、同時に算定できるかなど状況判断が必要なものには対応できません。またレセプトに必要なコメントや特記事項などは医療事務を理解していないと入力できません。レセコンはあくまで入力した内容を会計したり、レセプトとして出力するものです。理解せず入力し続けて、会計が違っていた、大量の返戻になってしまったというのはよく聞く話です。
さらに診療科が違うと入力内容は全く異なります。クリニック内で入力する内容は診療報酬全体のほんの一部分にすぎません。実務の知識しかないと、もし違う診療科に転職となった時、経験をアピールして転職したのにいざ仕事を始めたら全く何も入力できなかったということにもなりかねません。
基本を理解できていれば、どこへ行っても、2年ごとの改正で制度が変わっても応用が利きます。しかし現場では次から次へと来る患者さんに対応するのに精いっぱいで、保険の基礎や診療報酬のいろはを教えてくれる人はまずいません。医療事務の仕事を続けていきたいと考えるなら、資格取得などを目標に自ら勉強しようという意志が必要でしょう。